初心者のための大輪朝顔作り
開花期の観察と管理
適期に管理されたものであれば、7月8日頃から例年梅雨が明ける頃までに花が咲き始めます。初花は小さくしか咲きませんが、徐々に大輪になっていきます。
このころから、今まで根の充実を図るため乾燥気味に管理していた鉢を、湿気の多い環境に移し、十分に水を与えるような管理に切り替えます。
花は、咲き終わったら元から摘んでおくと、次の花が大きく咲くようになります。
咲き具合を観察し、小さくまとまり伸びきっていないようであれば液肥を与え続け、蕾の充実を図ります。
逆に花弁の縁が縮れていたり、曜の先の花弁の縁が赤く変色するようならば、窒素肥料の効きすぎです。葉色は濃いままで黒っぽいはずです。施肥はただちに中止し、水を十分に与え、症状が緩和するのを観察します。緩和しないようであれば、埋肥を取り忘れていないか確認してください。それでも改善しない場合は水を張ったバケツに鉢ごと浸けるなど、窒素を抜く処置を施します。
蔓が支柱を15cmほど越えたら、頂芽を摘芯します。その直下の葉は、中段以上の葉を肥大させないための肥吸葉の役目を果たします。その後展示会までの期間をにらみながら、蕾の充実を図りつつも葉の肥大をできるだけ抑えるため、液肥濃度を調整しつつ、徐々に切り詰めていきます。
蔓伸びが遅く、展示会間際になっても頂芽が中段までで上段に届かない場合は、葉色を観察しながら肥料濃度を濃い目に施用し、水は十分に与えます。節間が広がることを心配せずにそのまま伸ばし、展示会期間中に頂芽を摘芯できるようにします。展示会は7日間ありますから、後半に大輪花が咲いてくれるよう期待します。
かん水は一日に数回たっぷりと行い、鉢土は乾燥させないようにします。鉢いっぱいに広がって充実した根から水分が大量に吸収され、水分を花に行き渡らせることで、花径が伸びるのです。
日中何度もかん水ができない状況であったり、かん水してもすぐ乾いてしまう環境の場合は、ご家族の協力を仰いだり、鉢土表面にミズゴケを敷いたり、自動潅水装置を設置するなど、かん水を十分にしてあげてください。
一か所から二つ付いた蕾が出ることがあります。小さい方の蕾は除去します。また、蔓の中途で蕾の元から葉芽が着き、また、いつの間にか脇蔓が伸びたものが見つかることがあります。蕾の充実を図るため、欠き取ります。
一方、株元から出た脇芽、脇蔓は欠き取らず、種採り用に残しておきます。
軸の根元が太く、葉の翼片が2枚、3枚と多く、またぐっと横に張り、肌脱が広く出た形状の蝉葉が多くみられる鉢は、大輪花が咲く可能性が高いようです。さらに葉全体に打ち込みが強く出たものは肥料が効いています。蔓の上位の葉に斑が強く出ている症状も大輪になる可能性が高まります。