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栽培暦   一、栽培の準備   二、種まき   三、小苗管理(育苗)   四、本鉢管理   五、開花期   六、種採り

二、種まき

1 蒔き床砂、覆土用砂の用意

 砂は2mm目篩で篩った下の川砂画像川砂等を入手する。海砂は使わない。
 砂は米研ぎの要領でよく洗い、あくを抜く。何度か繰り返し行う。
 あく抜きした砂を薄く広げて日に乾しておき、乾いたら土のう袋等に保管する。これは覆土用砂としても使う。
 また、2mm目篩で篩った下のバーミキュライト画像バーミキュライトは目の細かいものを入手する。
 それぞれ2mm目ふるいにかけ、両方ともふるい下の目の細かいものを種蒔き用砂として使用する。
 砂:バーミキュライト=7:3を基本としてよく配合して播種床用蒔き砂とする。

2 適期の設定

 朝顔の苗が順調に生育するには、経験上少なくとも最低15℃以上が必要です。
 東京では青葉は5月中旬、黄葉は下旬に蒔く方が多いようです。
 なお、切込づくり用品種の種まきでは、無地花の品種と色彩花の品種で日にちをずらします。先に色彩花をまき、数日後に無地花の種をまくと開花時期を揃え易くなります。無地花は色彩花より発育がやや早く、開花期も早いためです。
 東京より寒い地域では種まき時期を遅らせることもあると思われます。近隣で朝顔展示会があれば、訪れて会員にお尋ねください。
 種まき後2〜3日で発芽を始めますから、週間天気予報で発芽後の晴天を見込んで種まきをします。

3 芽切りの効用と方法

 芽切りの効用は、芽が早く、揃って発芽させることにあります。
 朝顔作りでは生長の具合に応じて肥料の濃さや水やりの量を変えるので、発芽が揃うと、発芽後の管理が楽になります。
 暖かくなると、昨年のこぼれ種の芽が地面から出ている事に気づくことがよくあります。芽切りは、発芽のための絶対条件ではありません。

 発芽しやすいように、指で押さえてヤスリで芽切する画像外皮にわずかに傷を付けてから蒔きます。中の白い部分が見えても大丈夫です。
 芽切り作業は種蒔きの数日前から行っても、直前に行っても発芽力に差はありません。
 芽切り位置は、芽切り位置の目安へそと将来根が出るところ以外の場所ならばどこでも、削りやすい箇所で構いません。
 削る道具は、カッターナイフ、棒ヤスリ、爪切り等、使いやすいものいずれでもかまいません。
 板や紙の上に直に種をおいて、指先で種を押さえカッターナイフなどで削ろうとすると、種が吹っ飛んだり滑ったりして行方不明になってしまうことがしばしばあります。
 消しゴムを台座にして芽切する画像種を、表面に浅いくぼみをつけた木片や消しゴムの上に置いて削ると、安定して芽切りができます。
 品種名を記した名札を立て、種を品種ごとに試験管に入れて区分した画像種を品種ごとにピルケースや小皿、紙袋などに入れて区分し、混ざらないように配慮します。

4 蒔き方の手順

  1.  トロ箱に砂を敷き詰めた画像底に穴を空けた発泡スチロール箱(トロ箱)にさな(網)などでふさぎ、小砂利を一並べして、その上に種まき用砂を敷いている断面画像蒔き箱の底孔をさな(網)などでふさぎ、小砂利を一並べして、その上に種まき用砂を厚さ7〜8cm敷いておく
  2.  熱い湯(50〜60℃)を2〜3回じょうろなどで底から湯が出るまで注ぎ、事前に蒔き砂を温めておく。温めた砂は、しばらく置いていても温度はすぐには下がらない(目安として発泡スチロールの蒔き箱の場合、50℃になってから30℃になるまで2時間〜2時間半かかる)。
     30℃から25℃になるまでに30分かかる。なお、熱湯消毒を兼ね熱湯を注いだ場合、50℃まで下がるのに30分くらいかかる。
  3.  3〜4cm間隔に播種孔を空けた画像蒔き砂に、鉛筆程度の太さの棒を約2cm押し込み、その孔を3〜4cm間隔に空けておく。棒の先端から1.5cm、1.8cm、2cmの所に印を付けておくと作業がはかどる。
  4.  品種名を記した名札を立てておく。
  5.  床内温度が30℃以下に下がったら、芽切りした種の種蒔き風景画像背を上に、へそが見える腹を下にした状態で、ピンセットなどを用いてへそ側を斜め30〜45°上方に傾けて丁寧に蒔き付ける
     特に大きい種は2cm、特に小さな種は1.5cmの深さに蒔くと良い。中くらいの大きさであれば1.8cmの深さが良い。
     種の上下を逆にしても発芽するが、時として根が上に飛び出たり、皮かぶりで発芽することがある。
  6.  蒔き孔に乾いた砂を入れ覆土する。または孔の周りの砂を指先で寄せて蒔き孔をふさぐ。終わったらサッとぬるま湯をかけてもよい。
     なお、芽切りした種を数時間微温湯に浸してから種まきすることを推奨した記事を見かけますが、上記のように蒔き砂をあらかじめ温めておく方法で種まきすれば、微温湯に浸しておかなくともよく芽が出ます。
 たくさん播種する場合は、蒔き床に孔を空けずに、棒を横にして2cm程度押し込んで筋を作り、そこに種を3〜4cmずつ離して筋蒔きして覆土するか、種を床に軽く押し込み、1.5cmの深さになるように全面に覆土した後、平らにならすなど、作業に応じて工夫してみてください。

5 発芽までの管理

(1)発芽をそろえる方法

 その後は、砂の表面が乾いてきたら、微温湯をサッとかけます。
 水のかけすぎは苗が徒長する原因となります。しかし、砂が種の深さまで乾いてしまうと、皮かぶりが出やすくなります。
 発芽適温は22〜26℃です。播種箱の画像昼間は日光に当て、夜は防寒します。
 昼間日光に当てるとき砂温の上昇を図るためガラス(アクリル板)でふたをする場合もあると思いますが、この場合、ガラス(アクリル板)と蒔き箱の間に何かをかませて通風を図らないと、内部の温度が上がりすぎて煮えてしまいます。
 夕方床温が22℃を割り込む前に、蒔き箱をふたの付いた発泡スチロール箱に入れ、屋内に取り込み保温します。その際、ペットボトルに湯を満たし、湯たんぽ代わりとして蒔き箱が入る箱にともに入れて保温します。
 このように管理すると、3日目に砂が割れてきて、その後発芽が見られます。5〜6日目に次々に発芽画像双葉が開き、苗が出そろいます。

(2)皮かぶりがあったときの対応

 発芽の時、皮かぶり皮かぶり画像1皮かぶり画像2で出てくることが時々あります。
 種皮は硬いので、無理に種皮を取ろうとすると双葉がもげてしまいます。
 このような時は、ティッシュペーパーをかぶせて充分に湿らせて、1分後、種皮がふやけて柔らかくなってから、ピンセット、竹串などで双葉を損じないよう、慎重に取り除きます。
 症状が軽いものは、充分ふやけた種皮を枝豆のさやから豆を取り出す要領でつまみ出すようにすると、取れます。
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 初版:2013年5月2日