東京朝顔研究会 第一回大輪朝顔講習会(要旨) 直前のページに戻るボタン

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一、切込作り   二、行灯作り  

一、切込み作り子蔓三本仕立て このページの先頭に戻るボタン 直前のページに戻るボタン

私が考える朝顔栽培について大事なこと

  1.  良い種の入手
    1.  研究会から
    2.  花友から
    3.  自家受粉から
  2.  栽培環境
    1.  陽当たり
    2.  風通し
    3.  栽培台高さ
  3.  栽培管理
    1.  計画を立てて記録すること
    2.  水遣りと施肥
    3.  虫と病気から苗を守ること
  4.  朝顔知識・栽培知識の学習
    1.  参考資料等
      •  初心者のための大輪朝顔鉢作りの手引き
      •  朝顔百科
      •  色分け花図鑑朝顔
      •  東京朝顔研究会会報
      •  東京朝顔研究会ホームページ
    2.  栽培講習会 年二回
    3.  超大輪朝顔展の見学又は出品
  5.  学ぶことは真似ることから始まる。上達するために真似ることは決して恥ではない。

切込み作りのあるべき理想の形

 切込み作りでは葉小花大を理想とし、香炉鉢を使って盆栽のように切込み仕立てる。
 花は鉢の内側で大きく勢いよく美しく円満に咲き、緑色の葉の小ささや黒優香炉鉢の黒さと相まって、バランスの取れたその姿形は芸術作品のようです。
 詳しくは(会報誌)第66号の会報に品評会の審査規定の細則として掲載されてありますので、参照して切込み作りのあるべき理想の姿を追求してください。

朝顔栽培の作業スケジュール表を作ろう

 別紙参照
 種まきの時期 本葉の枚数 水遣り液肥の分量 殺虫剤や殺菌剤散布の時期 小鉢上げ時期 本鉢定植時期 子蔓伸び始めの時期 蕾の出始め時期 肥料打ち切りの時期 仮摘芯と本摘芯の時期 肥吸葉切除 講習会や打ち合わせ会日 搬入日や展示会開催期間など
 予め計画に立てておくと安心。鉛筆書きだと後々修正ができる。
 苗の成長過程や水遣り・施肥の分量記録は立派な栽培日記になる。
 反省の材料にもなるし、次の年の朝顔栽培のために経験したことが役立つ。

培養土 自作培養土のつくり方

 培養土は水はけが良い上に、ある程度水持ちの良さが大事と考える。
 切込み小鉢用  切込み本鉢用  よくかき混ぜ、培養土にジョーロ等で水をかけ湿らせ土嚢袋に入れ作り置きしておく。

花銘札 木製札とプラスチック製札

 近くのホームセンターでプラスチック製のものを園芸コーナーで購入し、木製札は模型用材木コーナーにある板材をプラスチック製のものと同じ長さ形に加工する。
 木製花銘札は鉢土に挿しておくと簡易水量計の役目を果たす。
 花銘札の表には花の名前、裏には作り手の名前をネームシールで貼ったり手書きをする。

種まきの前に大事な芽切り

 堅い種の背中部分に傷を入れ水分を吸収させ、発芽を促し、小鉢上げ時期を揃えさせる。
 道具 種 丸棒やすり 傷絆創膏 水を入れたコップ
  1.  種子の種類の数のコップを用意する。
  2.  コップに水と花銘札を入れる。
  3.  親指と人差し指に絆創膏を巻く。
  4.  朝顔の種を親指と人差し指にはさみ、棒やすりでこする。
  5.  種の背中に白いこすり跡が出てきたら、1〜2時間コップに種を間違いないように入れる。

種蒔き 5月28日柄物 31日無地

  1.  底に穴を空けた発泡スチロール箱に蒔き土(川砂100%、川砂70〜80%:バーミキュライト30〜20%、種まきと挿し芽の土など)をいれる。
  2.  蒔き土に熱湯をかけ、40℃以下に下がってきたら5cm間隔で深さ1.8cmの蒔き穴を空けて、芽切りした朝顔の種を埋め、穴の上から蒔き土をかぶせる。
  3.  その際、花銘札を間違いないように挿すこと。温度計を差しておくと良い。発芽温度は25℃から28℃くらいが適温とされている。
  4.  発泡スチロールの蒔き箱を新聞紙や毛布でくるみ保温する。
  5.  土の表面が地割れしてきたら日光の当たる場所に出す。
  6.  蒔き箱を移動するときは慎重に、箱を落とさないように、土表面に割れ目やゆがみを作らないように注意する。
  7.  種まき後4日前後で双葉が開き小鉢上げができる状態になる。

小鉢上げ 5月31日〜柄物 6月3日〜無地

小鉢期栽培

  1.  小鉢期の最大の目的は根を充実させることで、いかに根を多く生やすか大事な時期です。それには少なめの水と薄めの液肥で抑制栽培をすることです。
  2.  自分で作成した作業スケジュールに沿って水遣り、施肥、防虫、手入れをして、徒長をなるべく抑えた苗を作る。
  3.  水遣りと液肥
    1.  柄物と無地では小鉢上げの時期が違うので、しばらくの間は水遣りや施肥は別メニューで細かく管理する。
    2.  水遣りには50mlのスポイトを使って微温湯やお風呂の残り湯をかけてやる。
    3.  水遣りの分量については微温湯も液肥も、小鉢期初期には多くても30ml、小鉢期後期には多くても60mlでよい。
    4.  撒く分量は晴れの日が10割なら曇りの日は5割の量のつもりで撒く。
    5.  撒くときは50mlのスポイトで苗の周りを、円を描くように撒く。
    6.  葉や葉柄に水がかかると葉が大きくなったり葉柄が伸びすぎるのでかからないように注意して撒く。
    7.  本葉が一枚増えたら液肥を微温湯で薄めて根元にかける程度の回数で良い。
    8.  液肥を薄める前は必ずボトルをよく振ること(有機液肥の場合、上は上澄み、固形成分が底に沈んでいることがあるため)。
  4.  アブラムシやハダニ類から苗を守る。
  5.  鉢回しをして根の偏りを防ぎ、根が四方に生えてくるように一週間に一度は90°(東西南北に)鉢を回す。
  6.  その他気づいたこと
    1.  木製花銘札を小鉢に挿しておくと、夕方時の鉢土の水分量がある程度わかる。
    2.  24穴連結トレーを使って鉢を入れておくと移動も楽。苗の葉が大きくなったときは間隔を置いて鉢を置けば、葉に日当たりと風通しが良くなる。
    3.  鉢の土に雑草が生えていたら抜き取る。草に肥料を取られるのはもったいない。
    4.  雹やあられ、台風や嵐には注意して鉢を避難させる。天気予報番組を見ることは大事です。
    5.  朝顔は強い植物、ちょっとやそっとでは枯れない。
  7.  葉は小さく、茎はやや細めな、見た目にはむしろ貧弱な苗でも後日かえって立派な切込み作りに仕上がるもの。

本鉢定植の最適時期

 6月25日から6月末日で、本葉が6〜7枚になったら本鉢定植の最適時期です。
 6月17日(日)の第2回講習会では本鉢定植直前からの作業についてお話をします。
 次回の講習会では、なるべく切込み小鉢を持参して先生方に苗の診断をしてもらい、的確かつ有益なアドバイスを受けよう。
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平成29年盆養切込み作り(小蔓作り)作業記録 このページの先頭に戻るボタン 直前のページに戻るボタン
温度 気象 苗の様子 作業内容 肥料・消毒、液肥 水・液肥量(ml) 備考
5 28 26.2   種蒔き柄物12種48粒     夕方6時完了
26.8          
30 27.7          
31 26.7   柄物小鉢上げ12鉢
種蒔き無地12種48粒
    メネデール200倍40ml
夜8時完了
6 1 26.8   柄物2回目小鉢上げ12鉢 オルトラン   メネデール200倍40ml
2 27.8   柄物3回目小鉢上げ12鉢
柄物31
オルトラン
 
 
昼水20ml
メネデール200倍40ml
3 26.3   無地小鉢上げ24鉢
柄物31
オルトラン
熔リン1つまみ
 
昼水20ml
メネデール200倍35ml
 
4 25.6   無地小鉢上げ10鉢
柄物
柄物1.2
 
固形肥料小粒2個
熔リン1つまみ
 
20+10ml
 
メネデール200倍35ml
 
 
5 24.9   紫の上セルフ小鉢上げ 固形・・・熔リン
 
 
20+10ml
メネデール200倍30ml
 
6 22.9   無地 固形・・・熔リン 30ml  
7 23.3 曇〜晴   団十郎小鉢上げ
無地
固形・・・熔リン
オルトラン1つまみ
 
10ml
メネデール200倍30ml
 
8 22.6 小雨 本葉1枚出たらハイポ(青) 柄物無地   15ml  
9 27.2   柄物無地 コロマイト噴霧 15ml 1,500倍
10 28.8   無地
柄物
 ハイポ(青)
 
30ml
水20ml
2,000倍 1枚目
 
11 24.9     水30ml   第二回栽培講習会
12 25.0 本葉2枚
本葉0.5枚
柄物
無地
ベニカXファイン ハイポ(青)
ベニカXファイン
30ml
水30ml
2,000倍 1枚目
13 21.4 曇..雨   柄物無地   水20ml  
14 24.1 雨..曇   柄物
無地
 
 ハイポ(青)
水20ml
20ml
2,000倍 2枚目
15 27.3   柄物無地   水10ml  
16 28.8   柄物無地 ベニカXファイン 水20+10ml  
17 27.6 本葉2枚 柄物無地  ハイポ(赤) 30+水10ml  
18 20.7 曇..雨   柄物無地  ハイポ微粉 30ml 0.8g/4L
19 28.1   柄物無地  ハイポ微粉 30ml 0.8g/4L
20 29.1       水20ml  
21 24.2 大雨      ハイポ(赤) 20ml 1,000倍 夕方
22 28.5 本葉3枚        
23 30.4 本葉3〜4枚   テルスター ハイポ(青) 30+水10ml 1,000倍
24 29.4 晴..曇       水30ml+水10ml  
25 22.9 本葉4〜5枚    ハイポ(赤) 30ml 1,000倍
26 25.5          
27 25.8 本葉4〜5枚        
28 25.7 本葉6枚    ハイポ(青) 30ml 1,000倍
29 23.6 本葉5〜6枚  
本鉢定植18鉢
 ハイポ(赤)
固形肥料小粒2個
30ml
 
1,000倍
メネデール200倍100ml
30 23.6   本鉢定植8鉢 固形肥料小粒2個   メネデール200倍100ml

二、行灯(ラセン)作り(本蔓仕立て)、準備〜播種〜小鉢期 このページの先頭に戻るボタン 直前のページに戻るボタン

○ 自分の経験から得たこと

  1.  独力、我流では限界がある。教えを請うと上達が早い。
  2.  苗の様子を師匠に見てもらい管理の修正を施す。
  3.  修行の一環として出品する。
  4.  展示会の期間から逆算して必要な作業を行う。

1 栽培環境の整備

  1.  できるだけ日当たりの良い場所で栽培する。
  2.  ほどよい風通しとなるように工夫する。
  3.  夜間照明が当たり明るい所は避けるか、夜間照明が当たらないように工夫する。
  4.  栽培棚を用意する。(庭ではなるべく高く、しかし作業しやすい高さ)
  5.  (少なくとも小鉢用の)培土を用意して配合しておく。各種培土原料は篩の上に残ったものを用いる。ようりん(熔成燐肥)を培養土1リットルあたり小さじ軽く一杯の割合で腐葉土に混合しておく。初めての栽培ならば、目安として、腐葉土(堆肥):赤玉土(小粒):軽石(小粒):籾殻燻炭=4:3:2:1に配合する。配合経験があれば、前年の培土の乾き具合を思い出し、乾き過ぎであったなら軽石の割合を減らし、腐葉土、赤玉土の割合を増やす。湿りすぎであったならば赤玉土の割合を減らし、軽石の割合を増やすなど、改善を試みる。培養土は、3号鉢で10鉢あたり3.5L、4号鉢で10鉢あたり8.5L、7号鉢で10鉢あたり35L用意しておけば十分足りる。
  6.  播種箱、鉢、播種砂、その他栽培に近々必要な道具を揃えておく。

2 種蒔きの準備

  1.  発芽に必要な気温(最低地温15℃)以上で播種したい。関東であれば5月8日以降。また、展示会に間に合わせるために、5月中下旬までに播種しておきたい。
  2.  天気予報や用事、仕事を勘案して播種日を決め、準備を施す。
  3.  播種箱、セルトレイ、ポット、いずれのものでも構わない(それぞれの容器の特徴がある)。深さが8〜10cmあるとよい。水抜けがよいように、砂が落ちないように工夫しておく。
  4.  川砂、バーミキュライトは、未使用品を用意する。2mm目で篩っておき、ともに篩下を用いる。(使用済み品は障害を起こす可能性あり)
  5.  播種箱の砂は、川砂:バーミキュライト=7:3で配合して播種箱に入れておく。(昨年度の様子を見て、割合を勘案)
  6.  播種予定の種は、本鉢栽培予定数より多めに用意。
  7.  種は芽切りすると発芽が揃って良い。
  8.  播種当日、播種箱に熱湯を注ぐ。30℃くらいに下がるまで待つ。
  9.  種の向きに注意して蒔く。間隔は4cm位。
  10.  覆土して、日中は日が当たる場所に、夜間は保温できる場所に置く。もし砂表面が乾いてきたら、30℃前後の温水を、蓮口の目の細かいじょうろでまんべんなく濡らす。
  11.  日によく当て、夜間は22〜26℃で維持できれば、3〜5日で小鉢上げできるようになる。
  12.  土割れ、芽が見え始めたら、その後は日に当てるようにして、動かさない。
  13.  皮被りがみられたら、種を湿らせて指でつまめば取れる。
  14.  発芽〜苗作りの時期は管理上とても重要。発芽を揃え、締めた苗作りを心がける。ここでずんぐり、ガッチリとした苗を作れれば、後の管理がきめ細かくできて、世話も容易になる。なお、現時点で思ったとおりの草姿にならなくとも、あきらめずに栽培すればよくなる。最後まで頑張りたい。

3 小鉢上げ

  1.  小鉢上げ用の道具(小鉢、培土、ヘラ等苗をすくい上げる道具、肥料、アブラムシ防除薬剤、じょうろ、花名札、筆記用具等)を用意しておく。温水も用意しておく。培土は事前に湿らせておく。
  2.  鉢底にサナ(または鉢欠け)、ゴロ石(小粒)、小鉢用培土を薄く敷いておく。温水を掛けて湿らせておく。その後、肥料(過燐酸石灰を中央に一つまみ置き、また、乾燥肥料なら小指爪大2つ程度を鉢底縁に、ファミリー化成、IB化成なら数粒を鉢表面に置く。)、防除薬剤(アブラムシ防除の粒剤)を施用しておく。
  3.  苗の選定の目安
    1.  杯軸が太いもの
    2.  双葉の切れ込みが浅く(軍配形をしている)、ずんぐりとしているもの。一方、切れ込みが深く、双葉の先がとがっているものは大輪に咲かないと言われている。
    3.  双葉の「斑」が少ないもの。多いものは成長が遅い傾向があり、外す。
    4.  双葉のほとんどが真っ白のもの(白子苗)は、ほとんど生長せず、いずれほとんどが枯れてしまうのであきらめて抜き捨てる。
  4.  播種箱の苗が「合掌」〜「展開」の段階のうちにヘラ等で砂ごとすくい上げ、そのまま双葉の葉柄の元が鉢縁の高さより少し低くなるように置き、廻りに培土を落とし込む。・根を覆っている砂が落ちても、根が乾かないように温水を溜めた盆に浸しておき、移植にかかればよい。
  5.  培土は鉢いっぱい〜8分目まで入れてはいけない。6〜7分目程度と少なめにしたい。培土を入れ終わったら、片手で鉢縁を持ち、もう一方の手のひらを上に向け、垂直に数度、鉢底を手のひらに打ち下ろし、培土を沈み込ませるようにして落ち着かせる。胚軸廻りに土を盛り上げるように培土を入れると良い。土を上から押し込んではいけない。
  6.  すぐに温水でたっぷりとかん水する。
  7.  花名札に花銘を記し、鉢縁に挿しておく。
  8.  鉢は風が強ければ寄せておき、そうでなければ鉢の径ほど、間を空けて設置する。

4 小鉢上げ後の苗の栽培管理

  1.  鉢土が乾き始めるまではかん水しない。
  2.  夕方鉢土表面が乾いてきたら、翌朝かん水を開始する。かん水は鉢土表面にまんべんなく湿るようにする。口の細い水差しを用いるとよい。
  3.  本葉が出始めるまでに約一週間かかる。その間には根が伸びているはず。その時にかん水量が多いと根の張りが弱くなる。かん水して鉢底穴から水が落ちるか落ちないかの量がよいとされる。双葉だけの時は朝、20〜30ml/回を目安とし、夕方に表面が乾いている程度のかん水量に調節できれば上出来。
  4.  天気予報などを勘案し、かん水量を調節し、夕方に乾くようにできるとよい。経験を積み、慣れてくると、朝の土の湿り具合、苗の水分保持量、日照量の多寡、風の吹き具合などから、その日その日のかん水量の多寡を調節できるようになる。そうなれば中・上級者のレベル。
  5.  風が強かったり、日差しが夏のように強くなったときに萎れることがある。双葉が下を向く程度であれば心配いらない。ただし、双葉の縁が薄紙のようにペラペラになり乾いたような手触りであれば、ほんの少し水を与える。午後3時以降の場合は世話を我慢する。
  6.  夕方表土の乾きがよくないこともある。その場合は、翌日の天気予報を勘案する。前日同様の天気と推量できれば翌朝のかん水量を減らす。
  7.  かん水量に気を配った管理を続けていれば、徒長せず、軸ががっしりと太ってきて、葉も厚みが出てくる。一方、葉が大きく、薄いようであればかん水量が多いと判断し、かん水量を絞る
  8.  鉢をときおり90°〜180°回す。(根回しの重要性)
  9.  本葉が2〜3枚(6月頭頃)になったら、液肥をかん水代わりに与え始める。毎日行う。スーパーワン、ハイポネックスなどの窒素5%前後の濃縮液肥を行灯用では1,000培(液肥1mlを1,000mlに水で薄める意)希釈液に薄めて与える。量はかん水量の考え方と同じ。
  10.  本葉が次々に展開してきたら、そのたびに液肥(かん水)量を少しずつ増やしていくが、夕方に表面が乾いている程度とする。
  11.  地上栽培の場合は、このとき徒長しやすくなるので、場合によりビーナイン2,000〜1,500倍液を芽先に散布すると、徒長を抑えられる。濃度が濃いほど影響が強くなる。濃すぎると生長が止まってしまうので、正確に測って与える。
     一方、二階以上で栽培している場合は、苗が締まりやすいので必要ないことが多い。
  12.  6月に入ると日差しが強くなる。夏のような日差しで、鉢が熱くなるようであれば二重鉢にする。また、ハダニが発生し始めるので、ハダニ防除薬剤を散布しておく。
      一方、梅雨に入ると、連日雨降りで鉢土が乾きづらくなる。初期に十分水やりを控え抑制栽培した苗は、雨に当たっても徒長しにくい。
      梅雨に負けないよう、しっかりした苗を仕立てたい。鉢間を空け、通風を良くする。また、日は射さなくとも空の明るさをできるだけ葉に当てたい。雨をよけるためにわざわざ鉢を軒下などに取り込む必要はない。
  13.  葉が重ならないように手入れをする。
  14.  気温が高くて湿度が高いときは病気が発生しやすい。雨降り前に予防のため殺菌剤を散布しておく。
  15.  小鉢上げから四週間目となると、本葉の枚数も4〜5枚に増える。気温も高くなるので、水やりの量は少し増やすが、やはり鉢底から水が一滴出るかでないかの量。気象条件や生育の進み具合を計りながら加減する。名人・達人の域に達すると、徒長させずに管理できるようになり、苗は背が低く、軸が太く、下から1〜4枚目の葉が同じ位置から出ているように見える。ただ、初心者・初級者は理想とかけ離れていても気にしすぎず、その時の草姿をそれ以上くずさないように心がけ、水(肥)やり等の管理を行いたい。
  16.  鉢土は常に乾き気味にしておく。鉢底まで木製の花名札や竹串を刺しておくと、土の乾き具合がある程度わかる。乾かすといっても、土をカラカラにして苗をしおらせてしまっては行き過ぎ。
  17.  晴天・高温の管理
    1.  晴天・高温の時は鉢を重ねて二重鉢の対策を取る。(根焼け防止)
    2.  良く締まった苗で双葉がついている苗は上出来。
  18.  梅雨の管理
    1.  鉢間を空け、通風を良くします。また、日は射さなくとも空の明るさをできるだけ取り入れるようにする。
    2.  雨をよけるために鉢を軒下などに取り込む必要はない。また、葉が重ならないように手入れする。
  19.  防除管理
    1.  高温乾燥が4〜5日続くと、微小害虫が発生しやすくなる。高温乾燥が続くようであれば、前年に発生していた場合や、葉裏を観察してハダニ類を1匹でも発見した場合は、翌日が降雨でない限り、その日の夕方か翌朝など気温が下がった時間帯に、初期防除用の殺ダニ剤を散布する。
    2.  一方、25℃前後での多湿環境は病気が発生しやすくなる。特に雨の跳ね上がりによって病原菌が軸元や葉裏に付着するので、降雨が予想される前日の、30℃以下の時間帯に殺菌剤(予防剤)をまんべんなく散布しておき、予防に努める。
    3.  散布濃度はラベルの指定どおりとする。散布濃度の指定に幅がある場合は、高温時は薄め、低温時は濃いめの方の濃度にする。
    4.  降雨後には雑草が生えてくるので、こまめに取り除いておく。
  20.  双葉の脇芽取り
    1.  葉のつけねから出る脇芽は不要なので取り除く。急ぐ必要はないが、取らずにおくと摘芯の時迷う原因となる。
  21.  小鉢上げ5週間目(蔓づくりは移植後30〜35日を目安に)
    1.  試みに軸を親指と人差し指ではさみ、そっと持ち上げてみる。
    2.  鉢ごと持ち上がったら、根張り十分と見込まれる。定植の適期。
    3.  一方、鉢が持ち上がらず、軸の周囲だけ盛り上がりそうな場合や、持ち上がっても根鉢が崩れるようならまだ早い。焦って定植しても大輪に咲かない。数日水やりを控え気味にして様子を見ながら、根張りを充実させてから植え替えたい。

5 本鉢への定植の手順

  1.  本鉢定植期(6月20日前後)
  2.  人差し指と中指の間に苗軸をはさみこむようにして鉢をひっくり返し、鉢底穴のサナを押し、小鉢から苗を抜く。
  3.  鉢から苗を取り出したとき、根がぎっしりと培養土周りを巻いている状態(根鉢という)であれば定植する。根鉢が回っておらず、ぱらぱらと土が落ちてくるような場合、2〜3日様子を見てから定植するとよい。一方、根鉢がぎっしりと巻かれていて、鉢土が見えないようなら、急ぎ植え替えたい。
  4.  小鉢苗の中心を根鉢のまま本鉢の中心に据える。
  5.  横から見た双葉の位置が、鉢の最上部から出ない程度に置く。そして最初から培養土を鉢いっぱいに入れるのではなく、山の形のように入れ、できるだけ培養土を少なくする。鉢内の乾きを早めるためである。
  6.  培養土の量を多すぎないようにするための工夫
    1.  地上栽培で培養土の量が多すぎる場合、鉢内の水分を乾かすことが難しい。
    2.  水分が多いと、往々にして苗が緩みがちとなり、節間が伸び、葉の形も肌脱ぎや蝉葉が消えてしまったり、時として蕾が飛んでしまうこともある。良好な発達を遂げることは難しい。
  7.  メネデール100〜200倍液をたっぷりとかけ、培養土を落ち着かせる
  8.  30分〜1時間ほど日陰に置き、あとは日なたに出し、日光に当てる。
     この作業は晴れた日の午前中に行うとよい。

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 初版:2013年6月16日